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12 2001/8/15 エコ・プロジェクト

 島原には、私たちの森岳商店街を含めて、六つの商店街が南北に延びています。六商店街は、雲仙普賢岳災害をきっかけに若手を中心に協力体制が整ってきました。
 県が打ち出した「がまだす計画」をもじって「もてなす計画」と名付け、災害後の苦境に立ち向かいました。全国から寄せられた励ましに対する感謝の気持ちを忘れず「もてなし」の心を島原商人の未来永劫(えいごう)のテーマとして、まさに心のつながりで連携を深めてきました。
 世紀は変わりましたが、相変わらずの不況で、商店街には厳しい状況が続いています。私たちは、二十一世紀を乗り越えるために、幾つかのプロジェクトを企画しました。情報化社会を先取りした「IT・プロジェクト」、地域の子供たちを巻き込んだ「キッズ・プロジェクト」などを盛り込み「プロジェクト21」と名付けました。
 NHKテレビに「プロジェクトX」という番組があります。頑張っている挑戦者たちにスポットを当てた感動モノの泣ける番組で、私たちの仲間にも多くのファンがいます。ちょっと安易かなあと思いながらも、番組に流れる中島みゆきのテーマ曲に自分たちの姿を重ね合わせてこのたびのネーミングにたどり着きました。
 「プロジェクト21」のカギを握る「エコ・プロジェクト」を紹介します。「エコ」は「環境」を意味します。これからはまさに環境を第一に考えてまちづくりを進めなくてはなりません。商店街のお店が提供するラッキーチケットが当たるゲーム感覚の空き缶回収機に主婦や子供たちが、空き缶を入れてくれて、街はきれいになり、集めた空き缶はリサイクル。まさに一石三鳥の企画であります。
 すぐに売上アップにはつながりませんが、街がきれいになって住みやすくなることが中心商店街の生き残り策だと信じてプロジェクトを推進しています。スタッフには集客のための逆転の秘策もあるのですが、とりあえず子供たちが空き缶を拾ってくれて街をきれいにする習慣がつきはじめたことをご報告したいと思います。