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11 2001/7/17 選挙に行こう

 近頃政治が面白い。小泉内閣発足以来、報道されるニュースに大いに関心が向き始めた。今までに、一外務大臣の言動がきっかけで、アメリカとヨーロッパ諸国の平和(戦争)に対する考え方の違いがこれほどまで分かりやすく国民に伝わったことがあるだろうか。
 環境問題は、先見の明のある一部の学者やボランティアの人たちによる未来の話ではなく、たった今現在の世界(地球)の中心課題であることが、数日間の首相外遊で明らかになった。
 小泉首相の派閥にとらわれない組閣人事は、(一般国民からすれば、人物本位の人選は当然のことであるが)やはり画期的であった。有力政党の有力派閥に永年属していなければ政治は動かせないという考え方も、どうせ僕らの声は届かないのだから長いものに巻かれておこうという国民のあきらめも、思い違いだった。
 日本の経済は今大変な状況で、これを立て直す構造改革ではかなりの失業者も出て、痛みが伴うと正直に明言して、しかも八割の支持を得ている。政治の世界で少数派だった小泉さんを、本流に仕立て上げたのは、派閥の領袖(りょうしゅう)でもなく、官僚でもなく、経済界のトップといわれる人たちでもない。私たち国民一人ひとりが、正直な気持ちを表明し世論をつくっているのである。
 政策論争のない派閥が無意味であったように、本来の形から離れてしまった政党は見直しの時期に来ている。参院選後の政界再編を視野に入れれば、○○党か△△党かで選ぶのではなく、人物本位で選ぶのが今回のポイントであろう。
 日本の赤字と引き替えでも、長崎県に利益が誘導されて、自分の所属する業態がもうかれば…、環境破壊は経済発展の副産物…などと言って、私たちは次の世代に随分重荷を残してしまった。
 結局は、地球規模で日本のことが考えられる政治家を選ぶことが、私たちの住む郷土を良くしていくのだと実感できるこのごろ。
 とにもかくにも選挙に行こう。