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市議会報告:第2幕 『一般質問』のまえの『通告』

 一般質問は、国会(代表質問制)と違い、会派の大小に関わらず全議員にその機会が与えられます。私が「毎回質問」を公約にあげることは、実現可能なこと。持ち時間は1時間。

 一般質問は事前に「通告書」を提出しなければなりません。あらかじめ質問内容を議長宛に提出し、議長は(議会事務局で整理して)理事者(市長及び担当課)に報告し、一方で議会運営委員会に諮(はか)って、日程・質問順などを調整します。島原市議会の場合、(昔は通告順がそのまま発言順で熾烈なトップ争いなどもあり大変だったそうですが、)くじ引きで順番を決めます。 

 この通告締め切りが6月20日午前10時。市長の答弁が具体的で誠意あるものになるよう、かなり丁寧な通告書を深夜3時頃までかかって作成し提出しました。提出直後、本会議開会予定10時の数分前、突然「全員協議会」の招集がありました。「バンダナ事件」であります。本会議開会を待ちかまえていた理事者、傍聴者、ケーブルテレビ視聴者、報道各社はいきなり待たされるはめになり、報道各社が何だろうと駆けつけたときは時遅し、傍聴は許可されませんでした。(→第1幕「バンダナ事件」へ)

 6月20日は、うーむ、正直疲れ果てていた。最後の力を振り絞って(又やせた…)議案に対する質問をしました。先輩議員が議案については委員会でもじっくり質問できるから張り切らないでいいよとアドバイスをくれた。

 本会議が終わり、「今日はゆっくり寝よう」と議場を出ると、廊下いっぱいに市役所の職員があふれていた。「○○議員!」「△△議員!」と議員を捜している。私のところにも数名の職員が殺到した。「ああ、これが聞き取りか!」と合点した。通告書に沿って理事者側は答弁原稿を作るため、質問内容に対して聞き取りがあるかも知れないと覚悟はしていたが、こんな形で待ちかまえているとは思ってもいなかった。本来ならもっと早い時刻に始まるはずの聞き取りがバンダナ騒ぎで遅れに遅れて申し訳なく思った。(責任は議長にあって、私にはない!と今は言いきれるが)こんなばかばかしい議論をする議会が申し訳なく、それをうまく運べなかった自分が情けなかった。質問しない議員が帰った委員会室の隅々で、担当課の若い職員が議員とやりとりをする。

 私の質問はそのほとんどが合併問題に当てられていたので担当課(企画課)の若い職員は延々と僕に付き合わされた。改めて今の若手職員は力があるなあと感じた。気がつくと広い委員会室に残っているのは彼と私だけだった。役所を出ると、9時をとっくにまわっていた。

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【以下参考】(通告書の内容)
これは公文書で、これを元に聞き取りもし、答弁原稿が準備される。この原稿が報道各社に事前資料として配付される。中に追伸文を入れているが、これは私信として外した形で配布されたようだ。

 通告書の内容

質問項目(大項目) 開かれた議会(開かれた市政)について
質問要旨(小項目)
プライバシーの問題など情報開示にあたっては、十分な配慮をするという良識は大前提。
島原市としては、情報の扱いをどう考えているのか。その基本方針を示してほしい。
(情報は、上記良識の範囲で全て開いて住民に提供することが望ましく、しかも正確にわかりやすく、早く提供する方向であるという答弁を引き出したい。)いくつか具体的に
● 島原市のホームページについて
市議会会議録の掲載が遅すぎると思うがどうか
  各公民館など何カ所かで自由に見られるように整備していたようだがその後どうか
  掲示板を何故付けないのか。
● 島原市議会のケーブルテレビ(カボチャ)放映は好評だが、これも各公民館でいつも見られるように整備すべきだと思うがどうか(出来れば発言者の後ろ姿ではなく)
ひまわりテレビさんも放映を希望していると聞いているが相乗りして貰ってはどうか。
● 全員協議会から本議会へ
法的に根拠のない全員協議会ではなく、(定例・臨時に関わらず)本会議をもっと活用すべきではないのか。全員協議会の位置づけをはっきり出来ないのか(市の予算が絡むものは本会議でとか)

追伸:初めての通告書で書き方がよく分かりませんでした。質問の前に打ち合わせなど出来ましたら、語句の誤りなどご指摘いただき、分かりやすいやりとりをしたいと考えています。
目的は市政を住民に分かって貰うことであります。(次項:合併問題も同じ主旨です。合併問題の現状を住民に理解して貰うことが第一義です。)よろしくお願いします。

質問項目(大項目) 合併問題について(有明との枠組み決定までの経過と住民に対する説明)
質問要旨(小項目)
1. 島原地域合併協議会[有明・島原]を立ち上げた経緯・理由(有明町との合併をする理由)
2. 合併協予算の中で大きな割合を占めている委託料について(コンサルの役割)
コンサル選定方法・九経調の経歴・島原との関わり・島原市との連携・合併協との連携
・市や町のスタッフでは無理なのか・1市5町と同じコンサルのようだが変更点は何か
3. 合併協メンバーをどのようにして選んだのか(市長助役議員学識)
4. 街づくり懇話会のメンバーをどのようにして選んだのか
5. 3・4項について1市5町法定協時の場合と比べて同じか違うならどこに変更点があるか。
6. 1市5町を失敗に終わらせた責任はとらないのか。

質問項目(大項目) 合併問題について(編入方式の理由)
質問要旨(小項目)
現在の合併協(有明島原)は、ほとんど議論されることもなく、編入方式をとったが、市民を納得させるだけの理由があるのか。1市5町の段階でも南部四町はもちろんのこと、対等を唱えていた吉岡会長(市長)嶋井幹事(助役)・島原市民を納得させるだけの理由(編入の方が対等よりいいという理由)は説明されていなかった。説明責任を含めて、改めて編入方式が良いという根拠を示してほしい。
 編入の論議は1市5町の法定協3回目頃から出はじめた訳で、市長も市議会も1市16町をめざして他町を説得していた頃(1市5町の前)は対等か編入かの議論はなされておらず、16万人に対しての4万人では編入を考えるまでもなく対等しか頭にはなかったはずと考えられるがどうか。

質問項目(大項目) 合併問題について(今後の方法)
質問要旨(小項目)
1. 1市16町はまだあきらめていないのか(YESならそれは今まで以上のものか)
2. 今までの市長の1市16町への取り組みはまだまだ本物とは言えなかった。
● 何故臨時議会を招集してでも大事な案件を議案として出さなかったのか
● 全員協議会のような法的根拠のない会議で乗り切れると判断していたのか。
● 1市5町のアンケートの際に枠組みに対する問いかけをして1市16町を支持する意見を拾うことが出来たのではないか。(コンサルにも責任があるのでは)
● 1市5町のころに行った町内単位の説明会でも挙手をお願いするなどで住民の声をもっとはっきりしたデータに近づけられたはずなのに、あえて聞き置いたのは議会への遠慮ではなかったのか
3. 商工会議所青年部を中心としたメンバー(近藤貢代表)が行った法定署名や未来へつなぐ半島合併の会(宮本秀利代表)の請願署名は島原および、半島住民の1市16町合併へのねがいのあらわれである。住民の願いを無視する理由は何か。もっと真剣に住民に向き合うべきではないか。(すでに1市16町はあきらめて、1市1町で行くのならそれならそれで、)逆に彼らを説得するとか、街づくり懇話会のような場所でも1市1町の利を説くなど住民に理解を得る努力が必要ではないか。(参考アンケートあり)
4. 地域審議会の導入をもっとPR出来ないのか(地域自治組織への発展の可能性も)
住民の声が届かなくなるのではないかという不安の解消のために
5.1市16町法定(任意)協議会設立を呼びかけて、2本立てで検討し、住民に選択して貰う方法の可能性は(佐世保周辺の例をあげて)
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 というわけで、本会議「一般質問」のやりとりの骨子は、事前に出来上がるのであります。つまり壇上での議員の質問に対する壇上での市長の答弁までは、原稿が準備されることになります。
 そして、私達は効果的な演説を考え、予想される市長答弁に対して、次に放つ「二の矢」の準備にかかるわけです。私の場合今回は、自分の主張を傍聴者を意識して分かりやすく訴えることを第一とし、「合併の現状」を市民だけでなく、理事者にも、議員仲間にも伝えることに主眼をおきました。それでは「一般質問」のはじまりはじまり〜。

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