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6 2000/12/12 市民か死民か

 熊本県の八女市は、まちぐるみで古い街並みを残して活性化を図っています。私たち「まちづくり派」の間では要チェック都市のひとつであります。この八女市で面白い話を聞いてきましたのでご紹介して、読者の皆さまに「自分は人間か・そうでないか」を点検していただければと思います。
 同じく要チェック都市・滋賀県長浜市から、その古い街並みを活かした街おこしの成功の拠点(建築物)「黒壁」の代表笹原氏を招いて、八女市が主催した講演会でのこと。笹原氏は、まちづくりの主役である「市民」の話の前に、三つの「しみん」を紹介しました。
 一番上はパブリックな「市民」。真ん中が「私民」、この人たちは自分のことしか考えない。一番下層は「死民」。市民が多いほどいい町になります。なぜなら市民は公共や環境を考え意識が高いので税金もきちんと納めます。私民は中くらいで、死民はほとんど税金を逃れようとします。
 見分け方があります。市民は歩きます。私民はまあ自転車ぐらいに乗ります。死民はほとんど自動車に乗っています。これ以上車を乗り回したら地球は温暖化でどうにもならないのです。市民は歩くので、体を動かし脳にも刺激があって、頭が働きます。死民は自動車に乗って体を動かしませんから頭も働かず、考えることができないから死民なのです。死民が自動車を乗り回すおかげで、広い道を造ったり駐車場を造ったり、予算もいっぱい要るわけです。
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 以下、人類学的補足説明。そもそも人類の進化を決定づけたのは「直立二足歩行」であります。自由になった手で道具を操り、立って歩く事で重い頭を支えることが可能になり脳が発達し、言語を発明し…今日に至っています。
 してみると笹原氏のいう「死民」は歩かないのですから、既に進化の逆方向、退化に向かっているわけです。早晩毛が生えシッポが生え、人間ではなくなるのでしょう。(おサルさんが仲間に入れてくれるかどうか心配です。)
 さあ、あなたは人間ですか。