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● | 2003/4/9 |
あきらめるな一市十六町 |
島原新聞掲載分です。 |
市町村合併で提言 (平成15年4月2日記) 松坂昌應(まつさかまさお)
あれよあれよという間に、有明町との法定合併協議会の設置が決まってしまいました。報道によると、町内会意見交換会での市民の意見(「実現しやすいところとまず合併し、その後でほかの町を考えたら良い」)をもとに、この法定協設置議案を提出したといいます。
私の参加した町内意見交換会では一市十六町を望む声も多く、その時点で一市五町を進めていた経緯から、まずこれをまとめる努力をし、さらに広げていきたい、といった感触でした。また南部四町と別れるようなことになって、有明と小さくまとまっても合併の効果は少ないと、分裂を心配していたわけです。「実現しやすいところとの合併」の意味は一市五町のことであって、有明だけとの合併ではなかったはずです。
私もまた、この提言欄で多くの方たちが述べられたのと同じく「島原半島は一つ」と考えております。現在気がかりな一点は、合併特例期限に間に合うかどうかということのようです。
ところが多くの方の意見は、特例期間内で得られる特例債などではなく、議員定数削減、行政合理化、半島特有の持ち味ゆえの合併の効果でありました。ここは、政府のちらつかせるアメに踊らされることなくじっくり考えるべき正念場ではないでしょうか。
一市五町法定協は不調に終わったものの、ここで培った経験は、二年以上かかると漠然と言われていた期間をぐんと短縮するのに役立つはずです。全国的に合併は進捗しておらず、国は国の関与部分百日を三〇日に短縮すると言い、総務大臣は期限延長もちらつかせています。間に合えばしめたもの、間に合わなくても十分効果ありと考え、今一度一市十六町を検討する価値があるのではないでしょうか。
折から半島のあちこちで「半島は一つ」の声があがっているのに、
それを無視するかのような性急な決定には何か思惑があるのでしょうか。合併が小さいほど議員数が減らずにすむという理由しか思いつかないのですが・・・。
九十七名の議員さんたちが、一市五町合併の中で最終的に三十名に削減されるというのはあまりにも酷だから、一市一町と四町に別れ、南の四町の議員さんたちは二十六名残るし、有明・島原の方は三十名残って五十六名になる。それが現実的な選択なのでしょうか。
一市十六町で二百五十名以上の議員数を四十名以下に減らすことはそんなに無茶なことでしょうか。議員さんたちは四年おきに選挙があるわけで普通の勤め人とは違うし、皆さん力のある人ばかりなのに、何故彼らの落選後の生活の心配までしてあげる必要があるのでしょうか。
島原新聞はこの提言欄を「一市十六町派」だけに開放しているのではなく、どのような考えも募集しているのに、何故か集まる意見はことごとく「半島は一つ」なのだそうです。この紙面に「一市一町」の理を述べることの出来る人がいたら、ぜひ発言をお願いしたいものです。
ついでに言えば、最後まで「編入」の理由は説明されないままでした。有明との合併方式は既に「編入」が前提で進んでいるようですが、この事がかえって大きな合併の障碍になるような気がしてなりません。むしろ有明との合併は急ぐことなく、現状のまま大きな動きを待つのが筋ではないでしょうか。