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25 2002/12/20

合併は必ずある

 よほどの例外事情がない限り「合併」は必ずやってくるのである。厳しい日本経済情勢の中、すでに合併というのはリストラ(再建)策の前提になって進行している。ところが住民にはほとんど関心が持たれていない。

 先月この欄で、島原半島の場合は半島一本化の大合併がよいと主張し、多くの読者から賛同を得た。しかしそれは合併があるならの話だという読者も多かった。いま一度確認したい。もはや合併は前提なのだから、どのような合併を選ぶかの段階なのだということを。

 合併の長所・短所を説明して、合併に至る理由を言う段階ではないが、あえて合併で何が起こるかを事実確認しておきたい。

 合併があるから、自分の町の役場は「支所」になる可能性が高い。ただし公務員の首切りはないから、職員数はそのまま引き継がれ、職員一人あたりの守備範囲は今までと同じ。

 最大の事実は、首長・助役・収入役が(島原半島一本化の場合)五十一人が三人になる。議会議員二百数十人が三十人ほどになる。確かにこれだけで年間報酬十億円を超える経費節減が実現する。しかし首長・議員の守備範囲は一気に十倍近くになる。私の知る首長・議員は二十四時間フル回転で働いていて、今のままで十倍働いてくれとはとても言えない。

 この機会に私たちは「議員とは何か」考え直す必要がある。議員という理由で結婚式に招いたり、近所の議員さんに訴えれば自宅前のどぶ板がきれいになる時代ではなくなった。個別の住民の声は直接役所に届ける工夫が必要になる。
議員は(地域や業界の)利権代表ではなく、専門分野の知識と全体のことが考えられる良識を併せ持つ人になる。(私は、良識ある判断力さえあれば、専門分野は行政に任せていいと思っている。)

 一部長崎市議と役人の不祥事。簡単にいえば、高いお金を払って雇った金庫番が泥棒だったわけで、さらに辞職者に退職金まで出すわけだから、盗人に追銭である。この事を単に犯罪として例外扱いにしていいのだろうか。