ワールドカップも終わり、ゴールのお手伝い「アシスト」の語もすっかり市民権を得たようだ。私の塾の教室名でもある。
「先生って何者?」塾に通っている塾生の質問だ。「先生、新聞にも出てるでしょ。お母さんが言ってたよ。」(このうず潮欄のことだ)。
塾生たちと森岳商店街を歩いたときのことだったかと思う。よりによってその日は、会う人会う人、「こんにちは」「こんにちは」。おばあちゃんあり、おじちゃんあり、小学生あり、赤ちゃんを抱いた母親あり。「あそこの街路灯の電気が切れてますよ。」「突き当たりの観光案内板は見にくいけど、どうにかなりませんか。」などなど。バンダナ巻いた顔写真付きで、商店街の事やら、まちづくりのことを取り上げるから僕の顔を見たら、いろんな相談が舞い込むことになり、そこで「先生って何者?」となるわけだ。
実は私の本業は写真館、塾の先生は副業である。商店街の世話役らしきことは趣味(というか本気というか)。多忙を極めている。
二年前、島原に塾を開きたいという若い熱血先生に出会った。「一緒にやりましょう。」と誘われ、教員時代を思い出した。(十数年前、島原にUターンするまで、中高一貫の学校で教壇に立っていたのであります。)当時も、時代が教育を難しくしていて、先生業は大変でやりがいのある仕事でした。今はさらに難しい時代、現場の先生方のご苦労は大変なものだろう。腰掛け気分じゃ困るよと叱られそうだが、本業は続ける条件で、副業として承知した。
教育の主役は子どもたち自身だ。そしてそれを支える二本柱が家庭(両親)と学校(先生たち)だ。僕らは主役のお手伝い(脇役)、その意味を込めて教室名を「アシスト」とした。昔も今も、本人がやる気になって、子どもはどんどん伸びる。子どもが、自分のために頑張れるのは自分しかいない事を自覚することが大切だ。
さて、子どもたちが自覚を持ってやる気になるために、親は、先生は、われわれ大人は、何をアシストできるだろうか。