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13 2001/10/11 青空文化祭

 わが森岳商店街が贈る年間最大の行事「青空文化祭」はこの秋で第十回になりました。雲仙普賢岳災害で絶体絶命に追いつめられたサビレゆく商店街の青年部が初めて世に問うた小さなイベントがその発端でした。
 お隣のアーケード商店街は一年ぶりの土曜夜市を実施して頑張っていました。でも私たちは、災害前には何も経験が無く、追いつめられて立ち上がったものの、商店街再生のために、何をどうしていいか分かりませんでした。だれも私たちの街を商店街とは認めてくれていない状況で、十分な商店数も無く、売り出しをする予算も無い、イベントをするアーケードやホールなどの施設も無い、無い無いづくしの連夜の話し合いの中から、開き直った私たちは起死回生の妙案をひねり出しました。
 照明も屋根も無いけど、青空がある。商売は無いけど文化がある。近所のおじいちゃんや、婦人会のおばちゃんたちにもお願いして「子供たちに伝えたい昔あそび」をテーマに、駐車場の空き地に、テントの出店を並べて半日限りの「青空文化祭」になりました。お客さんが来るだろうか、という一番の心配事は、日時を「しまばら温泉不知火まつり」に合わせることで、島原城から繰り出す市中パレードの見物客を当て込みました。
 竹とんぼ作りに子供たちの歓声が青空にこだまし、継続する噴火災害の降灰の合間の明るい話題として、地域の人たちに受け入れられました。私たちは結束を強め、楽しくやって行けるという感触を与えてもらいました。
 十年が過ぎて、今年も、十月十二・十三・十四と「不知火まつり」にあわせて「青空文化祭」を実施できる運びとなりました。感謝。
 今回のテーマは「島原らしいまちづくり」。写真展(青い理髪舘の故西川清人街なみ小品、酒蔵の三沢氏島原の木造建築写真)、骨董(とう)市(駅前)など盛りだくさん。住民による道づくり討論会なども準備しました。
 野の花で飾られた街のそぞろ歩きを楽しんでください。