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☆議会のしくみを知ろう☆

議長はどのようにして決められるか?

 議長決めは議席を決めるほど簡単ではない。簡単ではないが簡単に言うと、我々が小中学校で学級委員長を選んだようにして決められる。(近頃は学級委員長がいなかったり、決め方もまちまちなので確認すると、)クラスの全員に被選挙権があり、全員に選挙権があるという事だ。
 つまり立候補制をとっていない。初議会は臨時議長(今回は荒木議員)で開会するが、開会早々休憩に入る。議会運営委員会に替わる会派代表者会議を開くためだ。しかしここでは議長選出の方法が確認されるわけで、議長候補を絞り込むような審議をするのではない。 
 傍聴者も発言できるので、私も含めて数名の議員から、「市民にとってわかりやすい議長選びにするために、立候補制が法律上取れなくとも、議長になる意志のある者が所信表明の演説をしてはどうか」と提案があった。「所信表明しない者が選ばれたらどうなるか?」という質問に対して、「有効であり、問題はない。」など、しばらくやりとりがあったものの、結局これまでどおり、いきなり選挙ということになった。
 私は「せめて新議長は就任に際して、『浅学非才の身ではありますが微力ながら……』で始まる形式的な挨拶ではなく、どのような議会運営をしていきたいかの方針を表明すべきだ」と注文を付けて、引き下がった。もとより所信表明を聞いたからとてほとんどの議員はこの時点で誰に投票するか決めていると思われ大勢に変わりはない。ただ選挙を見守る市民が関心を持ってくれる効果が見込まれる程度のこと……これが大事なんだけれど。

議長選まえ

「議長ってどんな仕事?」「議長は重要な仕事です。」

 市民皆様に誤解されては困るのですが、議長選挙の前に意思表示をし、投票を依頼することは違法ではありません。世間では「根回し」とか「事前工作」とかいいますね。何も悪いことをするのではなくて、普通に話をするだけであります。(ちょうど今ポスト小泉総裁選でやっているあれです。)私に最初に意欲を見せたのは、松井議員(現議長)でありました。松井議員は当選後挨拶にみえて、皆の意見がまとまって自分で行くということになったら、是非お願いしたい。と議長選への決意を述べました。
 私は、その後荒木先生と会派を組むことになり、色々勉強する中で、議長の役割も教えていただきました。細かいことは又の機会に譲りますが、議長が非常に重要なポストで、議員以上の働きが出来ることが分かりました。松井議員は議員5期の経験を積み、政治家としてさらに大きな仕事をしようと(←たぶん)考えたのだと思います。
 議員に当選したばかりの自分は、そんなことを考えるゆとりもなく、それまで[議長は給料が高くて専用車が付くだけの名誉職]程度にしか考えていなかったので、いつもわが森岳のことも高い評価と共に一般質問してもらっていることの礼を述べ「でも議長になると一般質問も出来ないし、せっかくの考えを述べる機会がないでしょうに?」と皮肉っぽく応じました。どのみち自民党から順番で出てくるだろうとタカをくくっていたので、「開かれた議会にしてくださいよ。『第○号議案について』ではなく、『第○号議案、国民健康保険税額の変更について』のようにわかりやすい議事進行をお願いしますよ。ケーブルテレビを見ている市民の手元には議案書はないんだから。」など希望を言って承知しました。燕雀いずくんぞ鴻鵠の志を知らんやで、松井議員の志も理解できず皮肉っぽい対応をしたことを後で反省した次第 。今思えば、結局「想い」の強い者が、行動もし、栄冠も手にしたのだなということになります。
 この時点で投票なのか指名推薦なのか方法もはっきり知らなかったし、自民党の中で調整が付いたのかどうかもその後報告はなく、依頼もなかったので、議長選は白紙で臨むことにしました。
 その後研究を進める中で、出来れば議長は中立的で、自分たちの考えに近い者の方がいいと考えるようになり、特に議員数が奇数の議会においては最終議決権まで有するので、絶対[こちら側]から出すべきだと欲が出てきました。

議長選前日までの状況判断

 私は何が何でも反自民というわけではなく、是々非々の立場で考えたい。いかし今回の春の県議選における自民党の対応はやはり見過ごせません。島原の自民党は変わってもらわないと困る。だから今回だけは自民主導ではいけない。議長はあくまで市民の立場で選ぶべし。議長職の重要性が分かれば分かるほど、自民以外から出すべきだと考えるようになりました。先輩議員たちは、議長職の重要性がよく分かっているだけに、早くから運動もしているだろうし、特に自民党は早くから調整をしていただろうと考えられます。
 初議会(議長選)前日までの私の状況判断はというと、内田昭寿議員は無所属で当選したもののこの時点で自民党に籍を入れている(これで自民9人)。種村・古川両議員は無所属だけれど自民中堅の大場議員と会派を組んだ(これで自民系11人)。議員数23だから、残り12人をこちら側と判断すれば(非自民系12名)計算上勝てるはずだ。しかしこちら側はいろんな会派が集まっている、それでも希望は捨てたくない。
 私自身は、荒木先生で行きたいが非自民で調整がつけば誰でもOKと考え先輩議員たちに働きかけました。議会内部の諸事情は分からないのであとは先輩諸氏におまかせして、調整結果を待ちましたが初議会当日になっても連絡はありませんでした。自主判断となったわけです。
 お断りしておきますが、この状況判断と実際の議長選は全然別のものであって、誰が誰に投票したかは松坂の投票以外は最後まで不明であることは言うまでもありません。
 自主投票になって私は、(議長職の役割が、わかっていれば)経験は関係ない、新人も現職も対等であると判断をしました。全体を長期で考えれば、自分に投票するのが筋であるが、私はどうしても今議会で合併問題について質問をしたかったので、議長には自分以外からふさわしい人物を選び、副議長戦で自分に一票を投じました。

結果

 議長選、松井15・園田3・松本2・上田1・井村1・無効1
副議長戦、中川16・松坂3・内田豊2・上田1・井村1 (敬称略:公式発表)
 ともかくも松井議長が選ばれたわけであります。議長職に対する志の高さ(想い)と、実際の仕事は別ですから、私は議長に対しても是々非々の立場で臨みます。松井議長の志に敬意を払いつつも、厳しく「開かれた議会」の実現を要求してまいります。

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