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26 2003/1/22

不思議な住民運動

 森岳(もりたけ)まちづくりの会では、現在『しまばら散策モデルコース』の選定作業を進めています。「心ゆたかな時間を過ごせる街」の実現に向けてできることからやっていこうと考えています。

 森岳まちづくりの会は、島原城かいわいの小学校区の小さな範囲で活動しています。もちろん地球規模で環境問題も考え、日本文化も考えています。しかしまず自分たちの足元から行動をすることが大切だと思っているからです。

『モデルコース』のパンフレットに島原の魅力を紹介するわけですが、改めて島原半島の中にあってこそ島原が存在し、島原半島という塊がさまざまな魅力をつくりだしていることが分かります。

 このたびの合併論議が始まったとき、これは島原半島の大きなチャンスだ!と思いました。ところが現実は、私たちが願っている方向から大きく外れていきました。誰もが「本当は島原半島は一つがいいのだけれど」とか「半島を最後は一つにするために」とか、前置きを付けながら、まず手近な五−六町でまとまろうと言って、まとまるどころか、かえってその数町で争い、これまであった島原半島は一つという温かい雰囲気までも、失いそうな勢いです。

 私たちが一番多く耳にする「島原半島は一つ」という住民の声はなぜ、無視され続けているのでしょうか。この一点が、県内外の合併事情と大きく違うのであります。

 合併の大きな柱に、首長・議員の人員削減があるわけだから、彼らに合併論議を丸投げしてはいけません。今回は、住民が主役になって合併論議を進めなければなりません。

 ついに島原の若者たちが、住民の声を届けようと「島原半島は一つ!一市十六町合併」の正論で署名運動を始めました。正論と言わなければ常識といってもいいでしょう。普通この手の運動には、賛成派・反対派・無関心層がいるのだけど、誰も反対者のいない不思議な住民運動が始まりました。そして関心を持ち始めると、ことごとく賛成派になるという実に不思議な住民運動です。