半島合併の現状(2004/9/25)  

25日口之津で開催された田代先生の講演会を踏まえて         合併を考える
松坂なりに半島合併の現状なり展望なりを整理しよう。

深江・布津・有家・西有家・北有馬・南有馬・口之津・加津佐の8町
庁舎の場所などを巡り紛糾し、ほころびが大きくなり始めた。
考えてみれば、合併はお金持ち同士の自由恋愛結婚ではなく、
お金がないから仕方なく結婚するという貧乏脱出劇なのである。
そこに新しい組み合わせの中から少しでも夢を描ける可能性も見出したい。
というプラス思考は大いに結構。
しかしあくまで基本は各自治体数年後には単独では破産という実体をまず肝に銘ずるべきだ。
ほころび(不満)はあってしかるべし。あるのが当然、無理やりに
見てみぬ振りはしないほうがいい、かといって隠すのはタチが悪い。
なるべく明るく笑いながらお互いの貧乏を公開し語り合い慰めあい
助け合いの精神を育てよう。

だから、有家町委員が庁舎を必ず建てると明記してくれと(強制力はないのに)
言い張ったり、横田町長は会長を降りるというし、有家の町議委員は協議会に出ない。
口之津町議委員は(85パーセントの住民が8町を求めた住民投票を無視して)
「8町はいかがなものかという住民も多く」などむちゃくちゃを言って退席した。
南有馬は議員全員からなる合併委員会で協議会離脱を決めた。
こんなことは、実は起こるべくして噴出した愚痴である。
しかし・・・、以下のような新聞記事となる。

市町村合併

口之津町議会は「脱退届」提出 雲仙地域合併協

 【口加】島原半島東南部八町で構成する法定の雲仙地域合併協のうち、南高口之津町議会は十日、西有家町であった合併協の十三回会合で「脱退届」を提出した。有家町議会に続く二つ目の離脱表明となり、今後の枠組み協議はより不透明な情勢となった。

 脱退届は「八町間で信義を持って協議することさえおぼつかない状況。現行合併特例法の期限が迫る中、市町村合併について新たな展開を図るため脱退を決意した」との内容で寺田喜三議長ら三委員の連名。一方、三原松朗口之津町長は「合併が必要という考えは一貫しており、早急に方向性を確立したい」としている。

 十日の会合には、有家町議会選出三委員が欠席。冒頭、横田幸信深江町長の会長辞任と元山芳晴加津佐町長の新会長就任が報告された。口之津町議会市町村合併調査検討特別委の宮嵜良輔委員長が経緯を説明した後、宮嵜委員長を含む同議会選出三委員が退席した。ほかの委員からは「既に四十三協定項目のうち四十項目を既に確認。住民の意思が変われば別だが、八町合併を実現すべきだ」などの意見が出された。

 法定協から正式離脱するには構成全町議会の議決が必要。口之津町議会の「脱退届」と有家町議会選出委員の「退任届」は会長預かりとし、今後扱いを協議する。

2004年9月11日長崎新聞掲載

というわけで「事実上の崩壊」報道はウソではない。
しかし問題は心の真実ではない。表面的な(法律上の)形こそが
目に見える事実である。事実はまだ崩壊していない。
どこも正式議会議決はしていないのだ。
どこか一つでも正式に抜けようものなら「俺も俺も」と言うだろう。
ただし、合併しなければ数年後の破産が待っている。
町のエゴではなく、町議町長のエゴで倒産ぎりぎりまで
職にしがみつくエゴ議員がいたら崩壊の危機はある(10%)

しかし、自分から崩すことだけはしたくない。
人のせいにして崩したいのだ。お互いババを引きたくない。

先般自らの「掲示板だよ」に書いたが・・・

 南部の掟破りの一連の行動ですが、
 実はまだどこも(良識では許しがたいことですが)、公式に
 離脱決定はしておりません。僕は好きではありませんが
 駆け引きだと判断しています。

 有家・口之津は委員辞任とか脱退とか言っていますが、
 議会の議決を経て法廷合併協議会を立ちあげた以上
 正式脱退には議会議決が必要です。
 深江町長の会長降板も脱退とは意味が違います。
 南有馬の町議全員からなる合併委員会での離脱決定といいましても
 脱退のためには、町長提案か、議員提案で本議会に上程して
 正式に議決が必要です。そこまで入っていない。
 結婚前の花嫁さんが「新婚旅行はハワイじゃなきゃヤダ!」
 とわがままを言っている段階だと見ている。
 (花嫁は、経済事情・夫の仕事関係で本心は諦めている)
 有家の庁舎だってモノの分かっている人たちは
 10年以内の文言を入れて身動き取れなくするよりは
 まずは財政再建が急務であり、しかる後余裕が出来たら
 その時の新市に考えてもらおうと、考えるのが筋だと分かっている。
 有家だって「建設するなら有家町」までこぎつけたんだから
 もういいんではないだろうか。住民に聞けばよい。
 (一部合併特例債による利権に絡む人の意見は逆に聞くべきではない)

 あと一点、半数に近い保身議員(合併によって個人の議席が失われるのが
 いやで、合併が崩れ、合併しないことを願っている議員)は、自分から
 合併やめた!と言う勇気もなく、責任問題であるから出来もせず、結局
 誰か(他所が)壊してくれないだろうかと願っている。
 彼らにチャンスを与えないことだ。

と、いうわけだ。
その限りにおいて南部はまだ崩れていない。

北部が安泰なのは言うまでもない。
国見・瑞穂・吾妻の3町の足並みさえそろっていない今
3町合併は事実上(来年3月までの調整は)不可能である。
瑞穂にとって選択は7町か単独かであって、7町か3町かの選択ではない。

小値賀町の場合を田代先生は絶対無理だと切り捨てたが、
この点だけは、松坂は異論を唱える。小値賀が合併しない本物であれば
それも一つの選択であると評価したい。小値賀・佐世保は地理的に
離れているから必ずしも合併がよしとは言いにくいだろう。
ただし計算上は合併したほうが御得である。
極端な貧乏に耐えるだけの覚悟があれば「合併しない」のも
一つの選択なのだ。ここを田代氏は認めず切り捨てた、この点が松坂と
ちょっと違うのだが。・・・

小値賀の事例を知っている聴衆は少なく、
超貧乏な3町(加津佐・口之津・南有馬)と、やや貧乏な8町のどちらかという選択。
(貧乏覚悟なら小さくまとまるのも理論上はあり)
加津佐に3町の動きがなく、陸続きの8町の一部で、超貧乏を覚悟するのは
事実上ありえない。
3町派は小さな合併のほうが経済的に有利であるとウソデマを流し、怪文書まで
流したという。この責任者の名前もないデマビラにだまされるな!

おそらく田代先生の判断は、
小値賀の事例を取り上げることは口之津周辺には意味がないという判断で、
3町を進める謀略派にチャンスを与えないために、「小さな合併=悪」
の論理で攻めたものと考える。

さて深江の住民投票の動きである。
彼らは純粋すぎて、新聞報道(事実上崩壊)を信じ込み
もしくは愛のない結婚に嫌気が差し、「8町崩れたり」の判断が先行している。
(タリは完了の助動詞)
8町が崩れたから(実質崩れているから)、深江はもう生きていけない。
ならばどの道、結婚が出来なければ心の真実だけは、せめて伝えたい。
「あたしは本当は島原が好きだったのよ、愛のない8町合併結婚を破棄することで証明するわ」
もちろんこれだけの賭けに出るのは、かすかな希望もある。
有明島原が流動的だからだ。ひょっとして有明に逃げられたら島原は
あたしを貰ってくれるかもしれない。という一縷の望みである。
編入・対等そんなのどっちでもかまわない。あたしは島原が好きなの。

90%崩れていないという田代さんを信じて、住民投票は控えてほしい。
もう少し待って欲しい。深江の無理心中にも似た行動は
(8町と有明島原)二つの結婚がダメになるという前提があって、その後のことである。
二つの結婚がダメになるまで待つのが筋である。
ダメになったら、住民投票しないでも島原・深江はそれぞれ新たな合併を模索してくると思う。
なにせ期限内合併を果たせば特例債がもらえるから。

今の3つの枠組みさえ堅持すれば、ほとんど数年のうちに半島は一つに向かうしかない。
水無し川の境界線は不自然でしたが、ここは現実を見よう。
必ず愛し合う二人は近い将来一緒になれるから。

さて島原有明である。

田代先生の話では「島原・有明は対等に切り替えなくては、崩れてしまう」である。
松坂も全く同感である。

編入方式の弊害は、私、幾度となく指摘してきたところで、島原市議会の
議事録でご覧になれば、お分かりになると思います・・・

要点を述べますと、
本来編入方式とは、基本的なことは全て島原に合わせて
有明は町長以下三役・議員全員失職して(本則)全てお任せしますというものである。
しかし有明島原はこれを全て対等の精神で調整し、法律的に制約のある部分だけを
編入方式でやろうとしています。実質的な対等合併であります。
 では法律的に制約のある部分は何かといいますと
@町長ら4役が合併と同時に失職する。(島原の4役は生き残る)
議員の扱いを編入合併の本則で行くと
(A有明町議全員失職、島原市議全員そのまま生き残り)となりあまりに
対等から程遠い。ゆえに、議員の扱いについては特例をとることになりつつある。
すると、編入方式の議員定数特例を取ることによって、新設対等方式に比べ
最大6年7ヶ月もの間、本則数ではない人数の議員をおくことが出来るのであります。
(新設対等なら最大2年です)つまり
A有明町議をなるべくたくさん長く在任させることが可能。
細かい制約はこれ以外なく、結果的に
島原有明の合併は、
対等合併で、有明4役が無条件失職・有明議員が長くたくさん在任という形に
なるわけです。
このことは有明町長が何度も訴えている
「4役が皆いなくなるんだから、議員をなるべくたくさん確実に長く
在任させて、緩やかに進めてくれ」という要求そのままです。
町長失職が、全ての交渉の切り札になっているわけです。
自分は失職ゆえに町のことが心配、町のことを少しでも分かっている
町議を残せという。言葉にこそ出さないが、
助役を(何らかの形で:2人助役)残してくれ、課長たちを、庁舎を残してくれという
暗黙の取引に使っている。
ただ1点、編入方式を選ぶことによって(法の縛りで)
本来的には(対等なら)新市の市長選挙に立候補して住民の声を反映できる
チャンスが、与えられない、無条件降伏なのであります。
そこで、「失職と引き換えに」という、窮地に追い込まれた町長として、
最大限住民のためにと条件闘争をするのは当然のことであります。

しかし、すでに読者諸氏も「ちゃんチャラおかしい」と分かりきっている論理。
例えば、「議員が住民の声の代表だから、議員を残せ」という論理。
だれも信じていません。住民は(自分たちが選んでおきながら!)
「議員は住民を置き去りにして、保身で動いている」と考えています。
議員の私が言えば天に唾する行為であることは承知しております。

しかし私が当初から申していますとおり
(他の様々の事は、議員にお任せの間接民主制でいいですが)
こと合併問題だけは、議員自らの首切りが含まれますので、
議員に決めさせてはいけないのであります。

したがってここでは、住民投票なり、アンケートなり
合併時の新市長選挙において、新市長の公約を住民が
信任投票をする形での選挙行為が意味を持つようになります。
・・・・・・・・・・・

 編入方式ゆえに、町長失職という対等と程遠い前提から
スタートするために全てが「対等」に進まない。
 合併協議がこじれてしまい、すでに合併の期日が大幅に遅れてしまい、
有明当局のいう、緩やかな合併のための編入合併は、
@町長らの失職と引き換えに残すはずだった有明町民の声(A町議の数)が
意味を成さなくなりつつある。合併が遅れれば遅れるほど、市議の残任期間は
短くなり、したがって町議が市議となって働ける期間は短くなるのである。
 編入方式は(当局に言わせれば)「対等合併」をより対等にする(ゆるやかにする)
方法だったのですが、合併期日が延びてしまうと今度は逆に
ブレーキになっている。早くこのことに気づかなければダメです。

 南部の認識は田代さんも私も、県の意向もほぼ同じだ。
このまま「自分だけはボタンを押さない」で進めれば合併は成る。

では島原有明はどうか、これも私の考えは田代さんと同じだ。
「島原・有明は対等に切り替えなくては、崩れてしまう」
対等に切り替えることが条件である。島原有明の情勢に詳しい田代先生は
(松坂も!)真剣に有明島原の合併を考えるゆえに「対等」を言う。

ところが県は、これについてはびくびくしている。
こちらも南部方式でお互い相手のせいにして崩したがっているなら
自分からボタンは押さないからこのまま粛々と時間がたてば合併は成ると
考えている。だから県は対等に載せ変えることに反対の意向である。

考えてみるがいい。壊したがっている連中に壊すチャンスを与えない方法が
取れるかどうかだ。相手が6つも7つもあるならともかく1対1だ。
「孤立無援の取り残された感覚」はない。
義を重んずる郡部に比べ、功利主義に毒された都市部の合併だ。
なりふりかまわない有明島原は今に始まったことではない。
何かに因縁をつけて壊れるのが目に見えるようだ。

県は島原市を見くびっている。イナカモン認識である。
市民の意識の高さをイイカゲン認めていいのではないか。
つまり筋が通る町なのである。(楠・犬塚の選挙は見なかったのか)。
諫早は「対等合併である・しかも議員特例も無し」これが筋である、
意識の高い市民に監視されて為政者たちはそうせざるを得ない。
島原もそれでいい。県は住民の力を信じていない。又は為政者たちの
権力を過大評価している。

別に対等・編入にはこだわらないが
合併期日が延長になって有明の人たちに市長選挙参加権がなくなった時点で、
合併後即市長選挙を入れるしかないのである。(出来れば議員選挙も)
つまり合併と同時にみんな失職して、市長も議員も新しく住民に選ばれれば
住民は納得するのである。
(結果的に方式は諫早とおなじ対等合併=新設合併となる)
ただし、これは前言を翻すことがもっとも恥ずべき事と考えている吉岡市長には
望めない行動だ。
結局問題は市長選挙だ。11月28日新人市長に期待しよう。