深江町・島原市の合併の可能性

 今回2005/5/22町議選の中で出ていた話題を検証しておきたいと思います。

 島原半島統一の早期実現、半島は1つ・・・こうした言葉は問題なし。今の3つの枠組みを壊してしまって1市16町で再度合併協議会(新法)を立ち上げるという極論を考えている候補者がいたとしても、(←これは相当に無理がある:あとで説明)、多くの人たちは、今の枠組みがとりあえず実現した後の次のステップとして理解し、この考え方はかなり受け入れられたものと思います。

 8町合併の南島原市が出来たらそれ以上大きくしたくない候補者も、まず8町実現したら、近いうちに半島1つに移行するとする候補者も(近いうちの意味が5〜6年、の人と2〜30年の人がいるのが気になるが)とりあえず8町合併までは一致しているため、合併問題が大きな争点になりえなかった。

 私は、この合併の方向が(合併特例債を無駄遣いして、関連業者を儲けさせてやろうとか、合併後の調整の中で高い方に待遇などをあわせて、甘い汁を吸おうとかの、不心得な輩は論外として)、これで完結か、(時を置かずして)半島1つに向かうのかが大きな分かれ目だと思っています。

 国の進める合併には不審点も多く、地方自治体によっては合併しない選択もありうるわけで、私は合併しない選択を尊重こそすれ否定するものではありません。合併自治体も、合併しない自治体も、きちんと住民本位の政治がなされれば生き残れるはずだと思います。私は国の進める方向に乗って、半島は1つに持っていくのが、諸条件考えて得策であると考えていました。(今も基本的には同じです)

 ところが現実は3分割というあるべき姿から外れた方向に向かってしまいました。しかもほぼ確定してしまいました。私に言わせれば、この中途半端な合併は、かえって金食い虫で(国のメニューは10万人規模以上を想定していますから)、数年後に行き詰まるのが見えています。このままで3市分かれたままであれば、合併しない方がましだったということになると考えています。ここまでくれば行くべき方向は「半島1つ」しかありません。、早急に(早急でなくても、住民理解を得ながら)半島1つを念頭に置いた無駄の無いまちづくりを進めなければ、国に乗せられた意味がありません。 

 残念ながら、一連の動きを見る限り、先ほどカッコ書きした論外の非常識の輩による、その場しのぎの中で町がつぶれるまでの荒稼ぎのための合併に成り下がっております。
 もちろんそうではなく、私たちの未来を見据えて、合併の特典を最大限利用して、政治に携わっている町長・議員・役人も多くいるのですが、そうでは無い輩に利用されつつある現状です。
 もちろん民主主義ですから、住民の総意に基づいて今後のまちづくりを考えればよいから、各5万都市になった3分割の時点で、考え方を(私の評価する)合併をしないまちづくりに方向転換が出来れば、3分割のままの連合体も想定できますが、まず無理でしょう。現状どこかの役場で新庁舎の役割ができる段階で、新庁舎の建設をメインメニューに入れ込むような政治では、まず難しいと思います。そもそもの合併の意味が分かっていません。

 在任特例で議員経費を現状より高くするとか、職員経費も高いほうにあわせて調整する・2人目の助役など役職を増やすなどなど、政治を預かる側ばかりに都合のいいようなことを、しかも住民説明無しに推し進めている。そういう政治姿勢では自治体はいい食い物です。
 私利私欲保身の輩がいるために、妥協続きの合併協議会という側面はあったかと思います。合併協議会での約束は一応紳士協定ですから尊重しつつ、調整の中で民意を反映しなくてはなりません。「合併までに調整する・合併後調整する」は私利私欲の輩から少しでも住民本意の方向に持っていくためのクッションだったと理解すべきです。合併がほぼ確定して、壊れる心配がなくなった今、本当の意味での(財政再建と次なるまちづくりのための)「半島は1つ」を実現するためにはっきりとモノを言わなければなりません。

 さて、深江町の離脱が可能かどうかについて考えたいと思います。
普通はありえない話でしょう。個人が思いつきで決めたことならともかく、民意の反映としての議会が公式に決定した事柄を1年もしないうちにひっくり返すこと自体ありえません。
 通常の議決事項であれば次の議会でひっくり返すことは理屈の上ではOKですが、この度の合併議決は、他の自治体との外交の問題であるから、簡単ではありません。
 しかし(議会リコールを果たした住民の立場から見れば)議会が間違っていたから、訂正を申し入れたいということであります。民意によって選ばれた新深江議会が、今までの決定をひっくり返して合併しないで単独で行くという結論が出せるかどうかという問題でありますが・・・普通に考えればNOであります。合併特例法では合併に至る手続きは決めてあるが、途中で引き返す場合の手続きは書いてない。

 以下仮定ですが、
 まだ合併していない独立自治体の深江新議会が「離脱して単独で行く」と決める。しかし他の7町や県は「3月31日に合併する」と決めたからそれはダメだと、内政干渉することになる。こうなると法解釈を巡って行政訴訟裁判になるのだろう。対外的には深江町が全面的に悪い。深江町内ではそれが民意であればどうにもならない。
 青森市と浪岡町の合併事例がこれに近い。
ただ、間違いないことは、深江町の離脱が(他町や県や国が認めないまま)まかり通ったとき、(一部深江町単独派が言っていたように)残り7町は予定通り合併を進めてくれというわけには行かない。8町が崩れたら同時に7町になるのではなく、全てが振り出しに戻るのである。7町は一旦8町を崩す議決をした後(これが実は合併協議会段階ならありうるのだけど、県議会議決まで行っているから、限りなく負けに近い裁判だろう)再度7町の合併協議会を立ち上げ云々となり、少なくともすでに合併特例債を認めた旧合併特例法の期限には間に合わない。
 浪岡町は結局議会議決による「変更」に至らなかったので、判例になりえない。浪岡町の単独を望む大多数の住民は青森市に利用されだまされているという認識だったので、青森市が合併できなくて特例債が使えなくても知ったこっちゃ無いという勢いだった。

 では深江町はどうか、まず離脱そのものが県議会議決(総務省告示)後ではきわめて難しい。(総務省に問い合わせればダメとしか言わないだろう)行政訴訟レベルの争いになる。間違いないのは、残り7町に対して確実に迷惑が及ぶ。特例債が貰えないのであれば何のために期限内合併を目指したのか分からない。結果的に深江町が民意に沿った訂正変更をすることが他町の内政干渉になってしまい、特例債の使える期限内合併は出来なくなってしまう。それを覚悟でやらなければならない。(いわゆる単独が善という合併反対派からすれば、合併は崩したほうが他の町にとっても善であると考えて納得かもしれないが、それはそれぞれの町の民意でなければいけないだろう。)

 結局、今の状態から深江町が単独離脱して、数年後に島原市に編入合併という筋書きはほとんどありえない選択である。私は念のために、このことを島原との早期合併を目指す候補者には伝えた。

今回の深江町議会解散の原動力となったと考えられる踏みにじられた民意(=島原市との合併)は、島原半島1本化早期実現の中で尊重されなければならないと思う。
この深江町の民意を生かすならば、今回の合併はこれで完結ではなく、半島1つに向け動き出す第一歩でなければならない。
今回の深江町議会には、このことを大いに期待している。
 
 官報告示が成って、あとに引けない(合併確実)状態になった、半島の3ブロック、次の選挙の争点は「合併で完結か?合併は半島1つへの通過点か?」であろう。
一番の問題自治体は、自分の属している有明島原ブロックである。この件については又稿を改める。

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