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市議会報告:第5幕  反対討論

@安易な値上げは許せない!(37号議案:国民健康保険税値上げ)

 医療費がかかって財源が足りないので、値上げをするという。医療費がかからなくなる工夫はしないのか。病院が老人サロン化していることは誰もが口を揃えて言っている。お年寄りが健康で誇りを持って社会参加し、病院にお世話になる人の数を減らすことが先決ではないか。私は代案もなくただ反対しているのではない。

 広報「しまばら」と一緒に配られる「市議会だより177号」では、紙面の都合とはいえ、この件については、『第37号議案 島原市国民健康保険税条例の一部を改正する条例 反対討論者 内田豊議員、松坂昌應議員、荒木昭蔵議員、上田泉議員』としか報告されていない。これだけ見れば、【改正】するのに反対した議員ということになる。為政者にとっては、財源不足を補うための方策だから【改正】に違いない。平均1万円以上の値上げに付き合わされる中堅世代家族はたまらない。この議案の審議(討論)が不思議なのは、誰1人賛成の立場で討論はしていないのである。それなのに無言の議員が過半数賛成起立して、皆さんの保険料が値上げされるのを承認したのであります。 

ABずさんな合併会計 (42,43号議案)

 この討論にもまた、議事進行差し止めがあって休憩中断。監査のあり方に一石を投じる島原市議会の歴史に残る討論となりました。

 私は「良識として1市5町でおこなわれるべき監査」の省略を批判し、島原市に預けられて監査を済ませた決算書に対して認定しないと発言したのですが、すでに(議案書と共に、議会初日に)配布済の市の監査意見書を再配布するという珍事件がありました。しかも最初の監査意見書と、再配布した監査意見書が別のものという訳の分からない事件であります。

 「監査」について詳しく研究してのち皆様にご報告しますので、この件は頭の片隅にとどめておいてください。

********反対討論を全文掲載します。********

 議長!12番!反対の立場で討論いたします。
第42号議案:1市5町合併協議会廃止に伴う決算について、3つの点で納得できないので、この決算は認定できません。

 まず第1点。昨年7月にスタートした1市5町法廷合併協議会でありますが、市長はじめ議会選出委員、民間からの学識経験者委員、行政からの出向スタッフほか多くの皆様の努力もむなしく、この3月決裂し廃止に至ったわけであります。

 もとより合併協議会は、その合併を実現させるためだけのものではなく、ふさわしいかどうかの見極めの協議も含むものであります。だから佐世保地区には重複して2つ以上の合併協議会が同時進行で成立しているわけであります。

 だから1市5町合併はふさわしくなかったという結論を出したことは、間違いでも失敗でもないのでありますが、結果的に水無川を深く広くえぐってしまい、市長曰く、断腸の思いの決裂に至ったわけであります。そのために2850万円の税金が使われたわけであります。結果だけ見れば2850万円も使って、「1市5町の合併はしない。」と決めたわけであります。ずいぶん高い授業料を払いました。この2850万円の出費を無駄にしないためにも、1市5町のことはきちんと反省し、次に生かさねばなりません。

 ところがこの反省がほとんどなされないまま、今新たな1市1町の枠組みに移行しようとしております。私は1市5町がうまくいかなかった最大の原因は、住民の声を十分拾わなかったこと、住民に対してきちんと説明をしなかったことだと考えています。もちろん協議会に携わった皆様にはいろんな反省材料が思い当たると思います。そうした反省がきちんとなされないまま、お金が2850万円かかりました、払ってください。ではひどすぎるではありませんか。新市建設計画の策定にはいたりませんでしたが、中間報告なり、反省報告書なり作るのが筋ではないでしょうか。

 2番目の理由としまして、事務局の粗雑ともいえる経営感覚の無さを指摘したいと思います。事務局は協議会の決めたとおりに事務方をつかさどるのであれば、協議会の金銭感覚の無さを指摘したいと思います。合併そのものはまさに経済の危機を乗り越えるための手段なのに、そのための話し合いの場である協議会運営のお金がかなり雑に使われています。そんな状態で今後の合併後の経済が話し合われると思うとぞっとします。協議会の委員、スタッフは他人事ではなく、自分のこととしてお金のことも考えていただきたいと思います。いくつか指摘します。

 そもそもこの決算議案そのものです。1市5町合併協議会にはちゃんと監査委員が決められていて、有明町と有家町から2名が選任されて協議会の会計決算は監査がなされるべきなのに、途中で協議会が廃止されたからといって監査は省略されたのであります。2850万円ものお金が使われながら、監査は省略です。代わりに各市町それぞれで監査せよということで、こうして市議会に上程されているわけであります。

 そしてこの決算書が私のような民間からすればとても納得できる代物ではありません。
たとえば(決算書3ページ一番下)委託料の部分であります。924万円ものお金が支出されているのに、備考欄には新市建設計画策定基礎調査と書かれているのみ。あんまりなので担当者に請求書を見せてもらったところ、3月付けの請求書にはなるほど「新市建設計画策定に係る基礎調査業務」委託料として、924万円の金額が記されている。内訳書も何も無い。

 総務委員会で、その内訳は追求いたしましたが、委員長報告でははしょられていますので改めて繰り返しますが、この924万円はコンサルタント会社九州経済調査協会に支払われたものです。924万円の根拠は、昨年平成14年11月11日付の見積書の金額なのであります。その内訳はほとんどが、昨年12月に行われたアンケート調査にかかわるものでした。

 流動的な島原半島の状況を考慮すれば、枠組みに対する賛否なども入れ込むべきだったし、新設か編入かで一番もめているときだったのだから、新設、編入の説明をつけて、それもどちらの希望が多いかを問うべきアンケートだったのに抽象的な質問ばかりのアンケートで住民の不評を買ったあのアンケートであります。そのアンケート調査に924万円であります。この11月付けの924万円の見積書には人件費やら印刷費やらと一緒に「データ入力費」という費目で460万円が計上されています。そこには単価も、サンプル数も書いてありません。アンケートの内容が詰められたのは12月ですから、普通ならそこでもう一度見積もりを取り直すとか、アンケート回収後、回収率に応じて請求を書き直させるのが普通ではないのでしょうか。役所の仕事はそんなもんだというのであれば今回はこれ以上責められませんが、民間なら考えられない金銭感覚です。もっと税金は大事に使ってほしいものです。

 結局あのアンケート調査だけで924万円を使ったわけです。九州経済調査協会の研究員は大変高額で、一人が1日関われば68000円とか、38000円とか掛かり、しかも交通費は別、さらに間接経費などといって、その日当は1,5倍になる。やったことはアンケート調査のみ。何でこんな高い金額を福岡の会社に支払う必要があるのでしょうか。高いか安いかは、わかりませんが、地元で十分対応できる仕事ではなかったのでしょうか。

 現に事務局スタッフは、時間さえあれば、コンサルタントは無くても仕事は出来ると明言しております。コンサルタントに支払う金額で島原半島からスタッフを増員することで時間の壁も打ち破られるのではないでしょうか。協議会の経営感覚の無さ、税金を使うことの無神経ぶり、地元雇用に結び付けようという配慮の欠如を以て、この決算が認定しがたい理由の第2点とします。

 3番目の理由は、第2の理由にも関係しますが、安易なコンサルタントの利用に関してです。地方分権の時代になって、地方自治体は独自の道を歩まなくてはならないのに、いまだに中央に「右へならへ」の考え方が抜け切れないのか、全国のいろんな事例を手がけているからといって安易にコンサルタントに頼っているのではないか。福岡の人間が本当に島原の、島原半島のことがわかっていると考えているのでしょうか。担当課長は、時間さえあれば、コンサルタントは無くても仕事は出来ると明言しているように、島原市役所のスタッフは優秀なのだからコンサルタントは要らないのであります。

C(九経調)
選定評価 163点 163点 160点 158点 152点
見積金額(千円) 11,525 23,625 11,865 20,159 16,601

 このコンサルタントの選定方法でありますが、昨年10月の審査会ではコンサルタント会社5社からの提案書を、1市5町と県の担当課長が7人で6項目に渡り5段階評価で評価し、ごろく30のかける七で210点満点で評価し、上位2社が163点、最終的に残った九州経済調査協会は160点で第3位。その後協議の結果、上位の1社は見積り額が高すぎる(2363万円)などではずして、一位の会社と3位の九州経済調査協会が残った。見積り額は評点1位のコンサルタント会社が1153万円、評点3位の九州経済調査協会は1187万円。一番高得点で、一番安いコンサルが落とされて、3番目の点数で2番目の金額の九州経済調査協会が残るという実に摩訶不思議な選ばれ方であります。
 九州経済調査協会は島原市の市勢振興計画なども手がけており、気心が知れているのはわかりますが、そんな緊張感の無い関係できちんとした仕事ができるのでしょうか。私は出来ないと思います。だから私はこのたびの決算は、一番出費の多かった委託料の部分で、コンサルタントに対して金額だけの仕事はさせていないだろうと考え、払いすぎだと考えております。

 以上3つの理由。1市5町の反省がなされていないこと、地元発注の配慮も無い経済感覚の無さ、安易にコンサルに頼っている点を指摘して、本議案に反対するものであります。


議長!12番!反対の立場で討論いたします。
第43号議案:6月補正予算ついて、ですが、この補正予算は現在有明町と進めている1市1町の法廷合併協議会に対する島原市の負担分を予算計上したものであります。1市1町の法廷合併協議会にかかる1年間の予算3790万円のうち島原市が2150万円を負担するわけですが、この支払いの内容について1点納得できないのでその点を明らかにして、反対討論とします。

 もとより私は、有明との1市1町の合併は住民理解が得られないままの見切り発車であるということで、この合併協議会そのものに反対でした。まだ市会議員で無かった一住民であった私は、歯がゆい思いで3月議会、1市1町の合併協議会設立が承認されるのを見守っていました。

 編入合併では、先々1市16町に広がりにくいと懸念をしており、せめて新設対等で進めばと願いましたが、1市5町の流れをそのまま受け継いで、いきなり5月1日第1回1市1町協議会で合併方式はとりあえず編入に決まってしまいました。

 郡部の人たちの編入に対する反発をあちこちで聞きますので、困ったことになったなあと考えていたのですが、この数日、市長、議長ほか皆様の懸命な合併への熱意が届きつつあるのか雰囲気が変わりつつあります。

 7月5日島原新聞。半島1本化実現への大きな第1歩として「島原市と有明町の合併」を進めるという市長の確固たる決意が述べられています。ここには(編入の文字も新設対等の文字も使われていませんが、市長の不退転の決意が示されています。)

 同じく7月5日長崎新聞。松井議長のインタビュー記事で「島原半島で一つになる合併を理想に1市1町でその核をつくる。」と語り、期せずして時を同じくして市長、議長ともに合併への決意を表明されたわけであります。

 私は現在進めている有明との編入合併は、実質的には新設対等の手続きをしているんだから、行政マンの事務方スタッフには仕事が増えて大変だろうけれど、この際「新設対等」に乗り換えてはどうかと考えています。議長も、このインタビュー記事の中で「編入の利点を知ってほしい」とことわりつつも「しかし、より広く大同団結できるなら合併方式にはそれほどこだわらない。」と結んであり、私の友人たちは「ほー、島原はちゃんと考えているんだね。」「編入の利点てなんだろう?」などと好意的に関心を持ち始めております。

 ちょっと横にそれたとお考えでしょうが、合併問題は非常に大事なので、関連として私の今の考えをお伝えしました。そんなわけで今の私は1市1町の合併協議会そのものに対しては反対ではなく、一般質問でお話したように、同時並行で1市16町の合併協議会を作ってはどうかと考えております。

 話を戻します。このたびの補正予算であります。3790万円のうち、またまた委託料として1000万円が計上されて、しかも1市5町のときのコンサル九州経済調査協会がそのまま横滑りで(今度は何の審査もなく)入り込んでしまっています。この外部コンサルタントを入れることに対して、よろしくないということは先ほどの、42号議案:1市5町の決算で説明しました。

 この委託料1000万について、「地元に委託する」というような但し書きが入らない限り、私はこの予算案には賛成できません。

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